Lover Teresa's Funeral.

The Case of Self-Consciousness of Lover Teresa.

 四十三歳、戦争が終わってからもう人生の半分が経過してしまった。でも記憶はありありと、まるで現在のことのようによみがえる。そして時には記憶が物語へと導かれていく。そのようにして記憶は不滅のものとなる。それが物語というものの目的なのだ。物語が過去を未来に結びつけるのだ。物語というのは夜更けの時刻のためのものだどのようにして過去の自分がこうしてここにいる今の自分につながっているのかわからなくなってしまうような暗い時刻のための。物語というのは永遠という時間のためのものだ。記憶が消滅してしまい、物語のほかにはもう何も思い出せない時間のために。

—ティム・オブライエン. (1998). 本当の戦争の話をしよう. 村上春樹. 文藝春秋. 68